看護実習知識集

看護実習で出会う急性腎障害(AKI)を理解して実習記録に活かす

AKIって何だ?

看護実習で出会う急性腎障害(AKI)とは

看護実習で受け持つ患者さんの中には急性腎障害を呈している

または呈していた患者さんを受け持つことがあります。

 

 

急性期実習においては、実習メンバーの誰かが出会うことになるかと思います。

 

今回は、急性腎障害(AKI)ってなに?看護実習の中で出会ったとしても

「何を考えればいいの?」、「何を記録に書けばいいの?」

といった看護学生さんに向けて簡単に説明しています。

記録の記載例も載せているので参考にされてください。

 

急性腎障害(AKI)とは

急性腎障害(acute kidney injury:AKI)は、

幅広い疾患スペクトラムを有する症候群です。

 

多種多様な臨床場面において生じ得る臓器障害であり、急激な腎機能低下を生じます。

 

急性腎障害(AKI)の診断基準

急性腎障害(AKI)に関する国際的統一診断基準は、

2004年にRIFLE(Risk, Injury, Failure, Loss,End Stage Renal Disease)基準

始まり、いくつかの修正を経て、

2012 年のKDIGO(Kidney Disease Improving Global Outcomes)基準

広く使われています。

 

KDIGOガイドラインによるAKI診断基準

KDIGO診断基準

 

KDIGOガイドラインによるAKI診断基準

 

急性腎障害(AKI)の病態生理

急性腎障害(AKI)はその原因により腎前性、腎性、腎後性に分類されます。

 

腎前性腎障害は、脱水、低血圧、心不全などによる代償機構を越えた腎灌流量の低下

腎灌流圧の低下をきっかけに、糸球体濾過量が低下する病態になります。

腎灌流量は心拍出量の約20%を占め、低血圧や、体液量の増減

影響を受けやすい腎前性AKIは、腎実質の器質的障害を伴わず、

早期の血行動態の正常化に伴って比較的速やかに腎機能が回復します。

 

腎性腎障害は、腎実質の器質的障害により糸球体濾過量が低下する病態を指します。

原因として虚血腎毒性による急性尿細管壊死薬剤感染による急性間質性腎炎

原発性の糸球体疾患血管障害などが挙げられます。

 

腎後性腎障害は、尿路通過障害のために生じる腎障害であり、画像検査により

両側性の水腎症が認められます。具体的な原囚として悪性腫瘍の浸潤や、前立腺肥大症

尿管結石症などが挙げられますが、通過障害の解除にて速やかな改善が見込めます。

 

急性腎障害(AKI)の原因による分類

AKIの原因の分類

 

 

急性腎障害(AKI)を看護過程に活かすポイント

急性腎障害(AKI)を看護過程に活かすポイント

急激な尿量が減少に伴い、乏尿無尿という状態となります。

尿量減少によって、有害物質が体内に蓄積し、尿毒症を生じます。

 

尿毒症の症状は、消化器症状(食欲不振、悪心・嘔吐)

循環・呼吸器症状(高血圧、心不全、不整脈、呼吸困難)

精神・神経症状(全身倦怠感、意識障害、けいれん)となります。

 

  • 電解質バランスの崩れによる不整脈に注意する
  • 有害物質の蓄積による尿毒症症状に注意する

 

急性腎障害(AKI)の知識を踏まえて看護実習記録を書いてみる!

以下に簡単ですが、病態経過・看護の方向性についての記載例を示します。

少しでも参考になれば幸いです。

  • ●月●日に右尿管結石、急性腎障害にて入院となる。Cr3.62、K5.8、エコーにて右尿管内に結石みられ、右腎盂拡大所見あり。結石による尿路閉塞により、腎後性腎障害を生じている。現在、血性K値の上昇がみられており、致死的不整脈に注意し、モニター観察を行っていく。また、体液貯留に伴う、肺水腫や心不全に注意し、呼吸状態や全身状態観察を継続していく必要がある。

以上となります、ここまで読んでくれてありがとうございました。