看護実習ポイント

看護の統合実習のポイント

看護の統合

看護の統合とは

これまで対象別看護で学んできた看護の知識・技術を統合し、

様々な場面においてその技術を活用できることを目指していきます。

 

成人・老年・小児・母性・精神等の対象別の実習で、

学生は一人の患者を受け持ち、アセスメント、看護診断、

計画、実施、評価という一連の看護過程の展開を

学習してきましたが、この看護の統合と実践においては

対象別の枠を超えて、患者・家族・関連職種と連携・協働しながら、

複数の患者への対応を経験し、また、日中とは異なる夜間における

患者の状態や変化を知ることにより、

自己の看護実践能力の習得や看護感を深めることにつながります。

 

さらに地域看護において、生活の場である「地域」での日常生活における

健康危機や健康被害発生の要因を理解し、疾病予防、健康増進、

快適な療養生活の支援を通して看護の統合を図っていきます。

 

災害看護救急看護国際看護では、保健・医療・福祉分野に留まらず

他分野の人たちとともに連携・協働する必要があり、

この分野も看護の統合と実践に含まれています。

 

これら知識・技術を講義、演習、実習から学んでいく必要があります。

看護の統合実習の目的と目標

看護の統合実習の目的

看護の統合実習の目的は、

複数受け持ち夜間帯での実習等を経験することにより、

実務での実際を理解することになり、より臨床現場に近い形での実習となります。

 

また、保健所市町村保険センターにおける地域保健活動の現状

地域住民の生活実態にふれ看護職者と関連職種の役割・連携についても

理解し、これまでの実習以上に学びを深めていくことが必要です。

看護の統合実習の目的
  1. 地域で生活する対象の健康特性に応じた支援及び多職種連携を理解する
  2. 多職種と連携・協働しながら臨床判断能力を養い、看護を実践する
  3. 看護師長業務やリーダー業務を体験し、看護管理の実態を理解する
  4. 夜間における看護業務と患者の状態を把握して必要な看護が実践できる

看護の統合実習の目標

看護の統合実習の目的を踏まえた目標が以下になります。

看護の統合実習の目標
  1. 保健所・保健センターなど施設の組織・機能と活動を理解する
  2. 健康教育・健康相談活動に産科し、看護職者の役割を学ぶ
  3. 医療資源が限られている過疎地域や離島等に出向き、そこに住む人々の生活実態にふれ健康問題について考える。
  4. 夜間における患者の状態、日中との違い、面会患者との関わりなどの看護の実際を理解する
  5. 複数患者を受け持ち、全体の患者の看護について考え、実践する能力を習得する
  6. 一勤務帯での看護について、指導者と行動を共にすることで管理業務の一端を理解する

災害看護

災害看護は1995年に発生した阪神・淡路大震災において災害時における

看護の重要性が浸透し誕生したと言われています。

 

阪神・淡路大震災では6000人を超える死者

20万棟以上の家屋の倒壊が一瞬にして発生し、30万人を超える避難者を出しました。

日本は災害大国でもあり、2011年の東日本大震災

2016年の熊本地震だけではなく、大型台風集中豪雨による

河川氾濫などの大規模災害が頻繁に発生しています。

 

災害被害の状況は、災害の規模・発生した場所などによりさまざまですが、

被害を可能な限り最小限に留めるために、適切で速やかな対応が求められています。

そのためには、保健・医療・福祉の分野に留まらず、多くの分野・ボランティアと

連携・協働し、看護分野での責任を果たすことができるように、

講義・演習を中心に災害発生に備えた救急対応負傷者のトリアージの理解とともに、

施設内での看護に留まらずに被災現場避難所応急仮設住宅居住者への対応

看護の場が広がっており、看護職者に求められていることは多岐に渡ります。

看護学生のうちに災害看護に対する知識・技術を習得しておくことが必要になります。

国際看護とは

国際看護とは「国や地域、民族間の保健医療・健康・看護の格差是正と

多様な文化・価値観の共存とを究極の目的として、

一国の看護職や医療従事者だけでは解決できない看護や看護上の問題、

世界共通の看護課題に取り組む学問である」といわれています。

 

2009年に基礎看護教育において国際看護がクローズアップされました。

世界の健康問題国、地域の経済発展状況により格差がみられています。

開発途上国では、妊産婦死亡や呼吸器感染症等による乳幼児死亡率も高いのが現状です。

先進国ではすでに改善されているこれらの健康問題途上国ではまだ多く存在しています。

 

2020年に発生した新型コロナウイルスによる感染症など新しい感染症の出現

想定され、今後さまざまな国や地域の文化や思想を理解しながら

健康問題の改善国際協力できる基礎的能力を養っていくことが求められます。

 

国際看護の活動の場海外で看護職として活動するにはとどまらず、

国内に住む外国籍の人々医療看護を必要とする状態になったときに

安心して生活できるためには、看護職として何ができるのか

求められているのかを判断し、適切に支援できる能力が必要になります。

日本は生産年齢人口の低下高齢化の進行に伴い、

今後ますます移民に頼らざるを得ない状況になってくることが予想され、

国際看護の重要性はさらに高まっていくと予想されます。

看護管理とは

看護管理の定義としては、1973年に日本看護協会において

病院における看護管理とは、病院の目的を達成するために、組織系統と権限、

責任等を明らかにして看護職のもつ知識や技術が有効に発揮されるように、

人事配置、環境、設備等の条件を整えて、直接の作業が順調におこなわれ、

24時間最良の看護業務が継続実行されるように規制・調整・指導・援助を

行うことである」とされています。

 

その後、1982年にキリーズが示した看護管理の定義によると

看護管理とは、患者にケア、治療そして安楽を与えるための

看護スタッフメンバーによる仕事の過程である看護管理の仕事は

最も有効で可能なケアを患者及びその家族に与えるために計画し、

組織化し指示を与え、そして入手できる財政的・物理的・人的資源を

規制(コントロール)することである」といわれ、

患者に関わる看護実践が適切に行われる業務のプロセスそのものに

着目した定義となりました。

 

統合実習の中では看護を直接的に実施するプレーヤー目線ではなく、

組織の中で看護人員を看護をどうマネジメントしていくのか

マネージャー目線で看護を考える視点に関しても学ぶことができます。

看護師長業務について学ぶ機会があれば、管理者として心がけていること

全体を俯瞰してみるポイントなどを聞いてみるとその部署の特色が聞けて

深い学びが得られると思います。

看護の統合実習のポイント

看護の統合実習をうまく乗り切るためのポイントです。

看護の統合実習のポイント
  1. これまで学んだ知識を総動員して看護を考える
  2. 複数受け持ちに対応できるよう優先順位を考えた行動を意識する
  3. 期間が長くなるので夜はしっかり休み体調管理に気を付ける
  4. 患者の視点に立って考える(一番大切、看護の優位性だと思います)
  5. 臨床現場におけるマネージャーの視点を考える

 

以上になります。最後まで読んでくれてありがとうございました。

参考文献

厚生労働省:「看護師養成所の運営に関する指導ガイドラインについて」の一部改正について,2020

香春 知永:基礎看護学 臨床看護総論 第7版 (系統看護学講座),2022

酒井明子、長田恵子、三澤寿美:「ナーシング・グラフィカ 看護の統合と実践(3) 災害看護 第5版」.メディカ出版,2022

日本国際看護学会:国際看護学入門 第2版,医学書院,2020

金子さゆり:看護管理者に必要なキーコンピテンシーとは.ナーシングビジネス 16(9),2022