看護実習ポイント

母性看護実習のポイント

母性看護

母性看護とは

対象を母性の側面から捉えてリプロダクション(性と生殖)の営に焦点をあてて

次世代を産み育てる成熟期にある人々を援助することを

学んでいくのが母性看護になります。

 

女性にとって成熟期における妊娠・分娩・産褥・育児

人間としての成長・発達の過程であり、発達課題でもあります。

発達課題を達成することで母性の人間的成長を高めることができます。

 

看護師として、ライフステージにおける特性を理解し、

それに対応した看護のあり方・進め方を考えていくことが必要になります。

母性看護学の目標

思春期、成熟期、更年期、老年期各期の母性に関わる健康の問題を

身体的・精神的・社会的側面から総合的に理解し、

母性及び家族の健康の増進・保持・疾病の回復に

必要な援助ができる能力を習得することになります。

 

母性看護学の目標について示します。

母性看護学の目標
  1. 母性に関する主要な概念を理解する
  2. 女性のライフサイクル各期の身体的・精神的・社会的特徴を知り、健康問題と必要な看護を理解する
  3. 母性を取り巻く環境の現状・課題を知り、母性保険に関する制度や法律を理解する
  4. 生殖医療の問題とそれらに対する多様な考え方を知り母性に関する倫理的配慮を理解する
  5. マタニティサイクルにおける特有の生理的変化を学び、それらに対する看護を理解する
  6. 対象とその家族の状況を理解し、必要な援助について理解する

 

これら知識・技術を講義、演習、実習から学んでいく必要があります。

母性看護実習の目的と目標

母性看護学の目標は理解できたと思うので、次に母性看護実習の目的と目標について

説明していきます。

 

母性看護学の講義・演習で学んだ知識を基盤として、母性とその家族に関わる

健康問題について認識し、個別的看護を展開するための

基礎的能力を養えるように実習に取り組んでいきます。

母性看護実習の目的

保健所や中学校などの実習

思春期の性生殖の健康をサポートするために、

思春期の心身の健康の特徴健康問題

性の健康教育について理解することが目的になります。

 

産科病棟や産科外来での実習

妊娠・分娩・産褥における母性の特徴を理解し、

母性及び新生児必要な看護保健指導を行いうる基礎的能力を

養うことが目的になります。

母性看護実習の目標

母性看護実習の目標は以下になります。

保健所や中学校での実習目標

保健所や中学校などの実習の目標
  1. 性教育に参加する
  2. 思春期の身体的・精神的変化を理解し、適切な健康教育について学ぶ
  3. 望ましい母性への完成を目指し援助するとともに適切な健康管理を行う必要性を学ぶ

産科病棟や産科外来での実習目標

 

産科病棟や産科外来での実習の目標
  1. 母性各期の特徴を理解し、保健上の援助ができる能力を養う
  2. 妊婦・産婦・褥婦の正常な経過を理解し、個々に応じた適切な看護・保健指導を行う能力を養う
  3. 新生児の生理的特徴を理解し、母体外生活への適応を援助する
  4. 妊婦・産婦・褥婦及び新生児の異常の予防及び早期発見、応急処置、治療への協力について学ぶ
  5. 受け持ち事例を通して看護・保健指導の継続性の重要性を理解する
  6. 周産期医療チームの一員としての役割をとることができる
  7. 看護の体験と学習とを結びつけ、母性(父性)意識を発展させることができる

 

母性看護で行うアセスメント

妊娠・分娩・産褥連続して起こる一連の生理的現象であるため、

一時点のみの情報収集では不足であり、継続した情報が必要です。

また、母性看護の対象者は医療施設に入院している患者のように、

常に看護者と接して生活しているわけではなく、

看護者の目の届かない場所で生活していることが多いので、

生活や家族の状況とともに身体状況精神状態などの情報収集も行います。

正常な経過を辿ることが多いため、健康を維持・増進していくアプローチ

重要であり、対象者が持っている強みをアセスメントしていくことが

必要になります。

 

褥婦・新生児経過における日々の変化は早いため、

対象の全体像をとらえるため、事前にどのような情報収集を

するのかをしっかりと確認して臨む必要があります。

 

母性看護実習で立案する看護問題

母性以外の領域の看護問題は、

症状によって苦痛があるニーズが満たされない

などの問題が主体となる事が多いです。

したがって、看護診断ではNANDA看護診断が適しています。

 

ですが、母性看護の領域では多くの対象者は

正常経過をたどるため、健康増進のためのウェルネス看護診断が適しています。

ウェルネス型看護診断についてはこちら

 

母性看護における看護上の問題について以下に示します。

母性看護における看護上の問題
  1. 生理的範囲を逸脱しているもの(実在する問題)
  2. 生理的範囲を逸脱する可能性のあるもの(潜在する問題)
  3. 生理的範囲であっても、今後よりよい健康レベルに向けて促進する必要のあるもの(良好な状態)

 

生理的範囲内にあっても、また対象が訴えなくとも現在の健康状態を

維持・増進する必要のあるもの看護上の問題となり、

セルフケア能力ソーシャルサポートの強化環境の維持・改善などが

看護の視点となります。

たとえば現在の子宮復古状態産褥日数に適した正常な経過であり

看護者が援助することによって、さらに順調な経過が予測される場合には、

ウェルネス看護診断の適応となる。

 

母性看護実習での看護展開

前述したアセスメントをもとにして看護展開をしていきます。

理論的にはどのような発達段階にいるのか、身体的・精神的な特徴はどうか、

環境の変化によるストレスはどうか、家族の付き添いはあるか等を

考慮していきましょう。

問題点としては、褥婦特有の母乳哺育に関する身体的問題

母親役割獲得に関する問題などが挙げられていることが多いです。

 

母性看護実習のポイント

母性看護実習をうまく乗り切るためのポイントです。

母性看護実習のポイント
  1. 母性各期の特徴、産褥期の身体変化をアセスメントする
  2. 妊婦・産婦・褥婦の正常な経過をアセスメントする
  3. 褥婦・新生児経過における変化は早いことを意識する
  4. 本人や家族の気持ちをアセスメントする
  5. 健康増進を目的とした視点で看護を展開する

 

以上になります。最後まで読んでくれてありがとうございました。

参考文献

厚生労働省:「看護師養成所の運営に関する指導ガイドラインについて」の一部改正について,2020

村本淳子,高橋真理:ウイメンズヘルスナーシング概論―女性の健康と看護 第2版.ヌーヴェルヒロカワ,2011

太田 操:ウェルネス看護診断にもとづく母性看護過程 第3版.医歯薬出版,2017