看護過程

看護過程がわかる

看護過程がわかる

看護過程とは?

日本看護科学学会の中では「看護の知識体系と経験に基づいて、人々の健康上の問題を見極め、最適かつ個別的な看護を提供するための組織的・系統的な看護実践方法の一つであり、看護理論や看護モデルを看護実践へつなぐ方法である¹⁾」と定義されています。

正直、難しくて何を言っているか分からない方もいるかと思います。看護学生さん向けに簡単に説明すると

看護過程とは、ヘンダーソンやゴードンなどの看護理論を用いて、患者さんの状態をアセスメントし、援助に繋げる方法になります。

 

看護過程の変遷

森田²⁾らの「看護診断の歴史的発展と表現形式」によると1950年代に、看護師の役割を明確にし、専門性を示す方法として、「看護過程」という言葉が使われ始めました。その後、JohnsonやHelen Yura、Mary B.Walshなどにより3ステップやら4ステップの看護過程が提唱され、Kurt Lewin,Gebbie らによって現在の5ステップの看護過程となりました。

1990年代にアメリカ看護師協会で6ステップの看護過程が提唱されており、①アセスメント、②看護診断、③期待される成果の明確化、④計画立案、⑤実施、⑥評価となっています。

一番最近のものだと2011年日本看護科学学会看護学会術用語検討委員会の「看護過程の定義」で示された「5ステップの看護過程」となっています。

看護過程のブログを書くためにいくつか論文を読み漁りましたが、正直、5ステップでも6ステップでもやる内容に対した変わりはないし、何を検討しているのかよくわかりませんでした。アメリカでは「nursing process(看護過程)」という呼び名に「the」をつけるかどうかを議論しているそうです。凄くどうでもいいですね。毒が出てしまい、すいません。。

看護過程の5つのステップ

看護過程は様々な分類がありますが、現代では問題解決思考として、「5つのステップ³⁾」に分類されることが多いです。

看護過程の5つのステップ
  1. アセスメント
  2. 問題の明確化
  3. 計画立案
  4. 実施
  5. 評価

看護過程の5つのステップはPDCAサイクルのように、援助を実施したら患者さんの状態を評価して、アセスメントしてとステップをぐるぐる回し、繰り返し行っていくものになります。

アセスメント

患者さんの情報を収集し、身体的要因・精神的要因・環境要因からどのような状態にあるのかを考えます。看護を実施するためには何が必要な情報になるのか取捨選択することも難しいですが、看護過程の入り口部分であり、非常に重要な項目になります。

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問題の明確化

アセスメントから導き出された、患者さんの健康問題は何かどのような点が患者さんの健康を妨げる要因となっているのかを明確にします。ある程度の情報収集とアセスメントができていれば、ここまでは誰がやってもそこまで大きくはズレないと思います。

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計画立案

問題の解決に向けて効果的な看護介入の方法を検討し、計画の立案を行います。根拠をもって説明できなければ教員や指導者にツッコミを入れられること必須です。観察項目(OP)やケア項目(TP)、教育項目(EP)は、個別性、個別性と言われる部分になります。しかし、大体1週間程度の実習でアセスメント~計画立案、評価までを行うためには、ハイペースで膨大な量の記録用紙を記入していかなければなりません。日々の記録にも追われる看護学生が時間をかけられない事も多いのが現状です。実際、文献の中でも、完全に個別性のある計画立案を求めると時間がかかりすぎる⁴⁾と述べられており、私はある程度の計画内容は型として決まっているのだからそれを教えて、少し個別性を加えるでいいと考えています。

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実施

計画に基づく観察項目(OP)ケア項目(TP)教育項目(EP)を実施していきます。実施後は評価となるため、実施した時の患者の反応(身体的・心理的状況)をよく観察しておく必要があります。計画が不十分であると実施中に不足していることに気が付くことがよくあります。

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評価

実施前後の患者の反応から、計画の進捗状況目標達成状況自らの看護実践の振り返りを行っていきます。そして、ここまで到達してやっと個別性を追求する看護過程が始まります。評価で何を書いたらいいか分からないという相談をよく受けますが、アセスメントで行っている時の思考プロセスと変わりありません。実施し、得た情報から何が考えられ、現在どういった状態なのか、効果的なアプローチだったのか、次はどのように行動するべきかを記載していきましょう。

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参考文献

1)日本看護科学学会:第 13・14 期看護学学術用語検討委員会報告書,2019

2)森田敏子:看護診断の歴史的発展と表現形式, 2006、Vol.16 No2, 3-10

3)ライト州立大学看護理論検討グループ著, 南裕子, 野嶋佐由美訳 : 看護理論集─看護過程に焦点をあてて, 日本看護協会出版会,  1982

4)池西静江:看護過程再再考, 看護教育, 2016, JUN. Vol.57 No.6 421